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ネット王子とケータイ姫――悲劇を防ぐための知恵

●著者:香山リカ+森健、中公新書ラクレ、税込定価735円、2004年11月10日発売

 幼稚園生の長男が「ドラえもんのパソコン」という玩具を、じいじとばあばにおねだりしました。キーボードやマウスは大人のミニチュア版。「ドラえもんにマウスは酷だね」というツッコミは置いといて、わが息子の操作の上達ぶりに「この子は有望だ」と親バカな自分を発見しました。
 しかし同時に不安も感じずにいられません。佐世保小六事件が象徴するように、子どもたちは負の側面まで含めて情報社会を生きなければならないからです。そこで、著者の香山リカさん、森健さんのお二人に、このような不安と冷静に向き合うためのヒントをいただいたのが、この本というわけです。
 手つかずのテーマを、最良の執筆者に依頼して書き下ろしていただくことは、編集者として最もやりがいのある仕事のひとつだと思います。

 付録として子ども向けに、利用マナーを記載したカードを添付しました。教科書的タテマエを避けたホンネの提言になっています(ちなみに、この付録と章扉、オビにイラストを描いてくれた山西ゲンイチさんは、大の藤子Fファン)。

 自分と同世代である子育て世代に向けて、実践的なアドバイスを充実させるように工夫しましたが、学術・教養が好まれる新書媒体ではチャレンジングなテーマだったかもしれません。
 具体的提言の書であると同時に、最新の現象に迫るルポであり、また「ゲーム脳」や「テレビを乳幼児に見せると自閉症になりやすい」といった、メディアや学術研究を批判的に検証するために必要な視点も提供します。ぜひ多くの方々に読んでいただき、感想をいただけたら幸いです。

(概 要)
少年犯罪が起こるたび、ネットやケータイが悪玉にされ、規制を求める声が飛ぶ。だが、今やそれらの機器が子どもにとって「唯一の居場所」であり、「自己の鏡」となっている以上、やみくもに押さえつけるのではなく、上手に情報社会に適応する術を授ける必要がある。本書は、学校現場や家庭への現場取材にもとづき、子どもたちの内面に迫る。また「ゲーム脳」等の科学論と、それをセンセーショナルに報じるメディアを、冷静に見つめ直すヒントを提供する。

(目 次)
1章 あまりにもアナログな、デジタル機器
2章 学者とメディアを疑え!
3章 電脳世界の恐るべき子どもたち
4章 学校が教えられないネット世界
提言 王子と姫を護るヒント
その昔、ケータイがない時代もあったという――あとがきに代えて



# by tomo.mina | 2004-11-22 17:06


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